こんにちは。裁量の専業トレーダー兼、MQL開発者のmetroです。
この記事ではカバー取引、カバー先を解説しています。
FXのカバー取引については、99%の人が気にしていないことかと思いますが
不利なトレードをしないために知っておくべき重要な要素です。
結論、カバー先が多いFX業者を選ぶことがかなり重要なのですが
その根拠と、それに至るまでの基本を解説していますので
最後まで読んでみてくださいね。
カバー取引とは?
カバー取引とは、顧客が取引をしたときに
FX業者が、インターバンク市場に接続している金融機関と、同じ方向の取引をすることです。
例えば、あなたが買いポジションを建てたとき
FX業者のA社は、金融機関との間で売りポジションを建てます。
これがカバー取引です。
カバー取引の目的は、リスクを回避することです。
つまり、あなたが勝つことで業者が損をすることを避けるためです。
具体的に説明しましょう。
国内FX業者は相対取引なので、あなたが行うトレードはA社との1:1のトレードです。
つまり、あなたが買いならA社は売りだということ。
このときあなたが勝てば、A社が負ける。
つまり利益相反の関係です。
このときのリスクを回避するために、A社は提携している金融機関に対して
買いポジションを建てる、つまりカバー取引を行います。
こうすれば、あなたが勝ったときにA社が支払うお金を
A社がカバー取引で稼いで、リスクを相殺できるのです。
このように、カバー取引は相対取引を行うFX業者が
顧客のポジションから生じるリスクを回避する目的で行われます。
しかしながら実情としては
FX業者は顧客のすべての注文をカバー取引しているわけではありません。
顧客同士の反対方向の注文を相殺するマリー注文を行っており
余った分をカバー取引していることが多いです。
カバー先とは
それでは、カバー先とはなんでしょうか?
先ほどの例で上げた、「提携している金融機関」のことです。
顧客のポジションリスクを回避するために
業者がカバー取引する際の、相手方となる金融機関のことです。
多くのFX業者は、複数のカバー先を用意しているのですが
実はこのカバー先の数がFXにおいてかなり重要なんです。
表示されるレートはカバー先から配信されている
カバー先の数が重要な理由の1つ目が、
FX業者が提示するレートは、カバー先から配信されているからです。
国内FX業者は相対取引なので、トレーダーは
業者の提示する価格で売り買いさせられます。
では、業者の提示する為替レートは、一体何を参考にしているのでしょうか?
それは、カバー先の金融機関が配信するAsk(買い)とBid(売り)の価格です。
業者は多くの場合、複数の金融機関を提携しており
複数のBidとAskを受信しています。
それらの中から、もっとも有利なAskとBidを組み合わせ
トレーダーに提示します。
このように、FX業者は複数の金融機関から得た価格を
「自分の価格」としてトレーダーに提示することで
トレーダーとの1:1の取引を行っているのです。
業者が受信するレート数が多ければ多いほど価格の選択肢は多くなり
トレーダーたちにも有利な価格を提示することができます。
私達トレーダーもできるだけ有利な価格で
注文が約定してくれるに越したことはありませんよね。
カバー先が多いほど、約定率が高い
カバー作の数が重要な理由の2つ目は
注文の約定率変わってくるからです。
FX業者がトレーダーのポジションリスクを回避するため
カバー取引を行うことは先述のとおりです。
このとき、業者がカバー先に対してポジションを立てるのですが、
カバー先が少なかった場合、何かの問題が生じてカバー取引が行えない可能性があります。
このとき、業者はポジションリスクを回避できなかったので、
顧客の注文を約定拒否します。
例えば、あなたがFX業者A社でドル円を150円の買いポジションを持ったとします。
この裏でA社はあなたのポジションと同じ条件のカバー取引を行っていますが
このカバー取引が成立しなかった場合、あなたのポジションも約定拒否されてしまいます。
これは特に、動きの早い相場やスキャルピングトレーダーにとっては深刻な問題です。
満足なトレードはできません。FX業者にとっても、苦情に繋がりかねない問題です。
高速な約定を頻繁に行うことは、FX業者は保証しきれません。
したがってスキャルピングを禁止としている国内業者もあります。
こういった約定拒否の問題も、カバー先が多ければ
それだけリスクは低減できているということになります。
国内の主要なFX業者のカバー先まとめ
これまで説明してきたような理由から
私は、カバー先の多いFX業者を選ぶことを強くおすすめします。
今回の記事の内容は、業者の「契約締結前交付書面」という文書に書いてありますので
トレードする前に、よく読んでおくことをおすすめします。
最後に、各FX業者のカバー先の数と
それを確認できるリンク(主に契約締結前交付書面)を貼ってこの記事を終えます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
外貨ex
カバー先は13社。(2024/10/07時点)
GMOクリック証券
カバー先は19社。(2024/09/27時点)
DMMFX
カバー先は15社。(2024/09/27時点)
FXTF
カバー者は3社。
ヒロセ通商
カバー先は20社。
SBIFX
カバー先は2社。
ただし、そのうち1つは32社のカウンターパーティにカバー取引を行う。
実質カバー先は33社かと思われる。
しかしやはりSBIFXにレートを配信しているのは2社。
LINEFX
カバー先12社。(2024/10/07時点)
外為ドットコム
カバー先は27社。(2024/10/07時点)
楽天FX
カバー先は21社。(2024/10/07時点)